五泊五日の北海道旅行(弟子屈編)

 北海道の旅、全行程の三日目である。本日も天気は晴れ。民宿の四畳半で障子から差し込む光に目を覚ました私は昨日通った道を辿ってすき家へ行って牛丼を食べた。(昨日の様子

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網走駅

 キハ54系である。始発だというのに一両編成の車内には立ち客すら出るほどの人出がある。(ボックスシートに掛ければ良いのだろうけれど田舎では誰かの隣に掛けるということを極力避けるのである)列車は快調に滑り出し桂台を越えるとオホーツク海沿いを走って行く。オホーツクの海は紺碧で夏の活力に溢れている。途中原生花園の駅では湿性植物を見ることができる。知床斜里駅では乗客の入れ替えがあったが、それでもなお乗客は多い。知床半島に一瞥して屈斜路湖方面を目指す。斜里岳や阿寒岳が青空に映えていて美しい。周囲は牧草地帯で放牧も珍しくない。冬の寒冷さに対抗するかのような青々とした草原、短い夏を謳歌しているように見える。 列車は緑駅を過ぎると峠越えを始める。もう1時間半は乗っていたはずだが全く飽きない。路傍で列車の疾風にさざめく青草や花々を見ているだけで心が逸るのである。(北海道の線路の脇には黄色い花が咲いていることが多かった。大沼温泉の辺りでも見たがそれ以来常につきまとわれた。何の花なのだろう) 川湯温泉駅で下車して今回は摩周湖、屈斜路湖を巡ることにした。弟子屈町一日バスフリー券なるものを購入してバスへ乗り込む。受付の方に来てくれてありがとう、と言われるくらいだからあまり流行っていないのだろう。列車には三十名ほど乗っていたがここで降りたのは五名ほど。バスツアーに参加したのは私も含めて10人くらいだった。外国人の方が半分くらいを占めていたが摩周湖に来るとは非常な玄人である。 摩周湖へは九十九折れの展望道路を登る。

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ちょっとした雲海
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良い景色

 あの雲の辺りに屈斜路湖が、そして阿寒湖もあるのだろう。展望道路からは雲海のようなものも見渡すことができる。もう少し早かったら綺麗な雲海になっていたのだろう。

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霧の摩周
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カムイシュ島

 摩周湖にはカムイシュ島という小島が浮かんでいる。そそり立つ外縁山、そして計り知れない深遠さを湛えた湖面に隔離されその出で立ちは人知を超越したものを思わせる。

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かなり神秘的

 このようにものの20分ほど眺めていただけでもその霧の加減は緻密で手に取るように分かる霧の塊が時折訪れてはすぐにまた去って行く。一切の影響をその霧は及ぼさないのだが徐々に平衡感覚を失い、湖との距離感を失い恰も一体であるかのような錯覚を起こさせる始末。大きな声を上げて自撮りをし始める訳の分からない女すらいなければとつくづく思った。(話しぶりは関西で内心では遠いところお疲れさまとも思っていましたよ)

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摩周岳方面から望む

 こちらは摩周岳への登山道中途より撮った写真。体全身を霧が透過してゆく感覚は高山でしか味わえない。 摩周湖の次は硫黄山へ向かう。屈斜路湖の外縁山の山麓から噴出した硫黄と世間において地獄谷と形容されるものを見ることができる。

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大鵬の故郷の近く
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硫黄山

 このように噴煙が立ち上る風景は何度見ても迫力があるものだ。巨大な岩壁に不穏な魔力すら感じさせられてしまう。

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硫黄を採掘できそう
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噴煙がわく

 このように近くによると自分の背丈ほどもある硫黄の塊を間近で見ることができる。足下には沸騰した温泉が至るところから沸々と湧出している。 地獄谷の次は屈斜路湖方面へ向かう。途中には駅名ともなっている川湯温泉があってそこでは1名の乗客があった。ここには昭和の大横綱と言われる大鵬の記念館がある。北海道には千代の富士記念館もあるらしい。 屈斜路湖畔の砂湯というところで私は下車をした。途轍もない自家用車の駐車があり湖畔の砂浜には所狭しとテントが並んでいる。砂を掘ればお湯が湧き出るとのことだったが水着着用が暗黙の了解のようであったので入ることはなかった。 砂湯から古潭の湯と言うところまで歩くことにしたが当初の見積もりとは反して1時間半ほども歩くことになってしまった。排気ガスで汚れた空気の中を歩き続けるのだ。湖畔に遊歩道などという洒落たものはなく歩道付きの二車線の道路があるのみだ。途中蛇を見たことのほかはこれと言った事件はなく時折通る車のナンバーを見たり木の実を蹴ったり、何ともつまらないことをしながら歩き続けたのだった。

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湖畔を歩く

 活発に光合成をしているであろう木々。

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藻がすごい温泉

 古潭の湯からは屈斜路湖が臨める。簡易な脱衣所の他にはどこにも隠れられるような所はない女性には難易度が高いかも知れない野湯だ。(浴槽はそれほど綺麗ではなく藻が浮いているのできっと無理な人は多いことでしょう)お湯の温度は先客がいたからかちょうど良く、歩くたびに堆積物が舞い上がることの他にはこれといって不満な点はない。 この近くのレストハウスで昼食を摂る。豚丼などという無難なものを食べてしまったが鹿の卵とじ丼であるという野生丼や得体の知れない魚の刺身でも食べれば良かったと後悔している。近くにはアイヌ文化資料館もあったが次のバスまで時間が僅かであったので2ちゃんねるなどという俗世のものを見て時間を潰してしまった。 ここから少し移動して和琴半島へ移動する。名前の響きが似ている真鶴半島のように小さく、しかし風光明媚な魅力がある。

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和琴半島

 ここも多くのキャンプ客で賑わっており文明を離れたはずの私の面目は丸つぶれとなった。和琴半島には一周する遊歩道がありそこでは多くの景勝を目にできる。

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神秘的

 湖水が酸性であるためにエメラルドグリーンに見える。

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山を越えれば網走

ここから遠く美幌峠も臨めるのだろうか。私がはじめに乗ったバスは美幌峠まで行って私の努力のウォーキングも嘲笑っていたに違いない。(因みにそのバスは女満別空港からのバスに接続していた)

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蒸気が上がる
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モーターボートはうるさい

 ここでは斜面からガスが噴出している。ボート乗りにとってはここが憩いの場であるらしく轟音を響かせボートを乗り回す合間にここで楽しく談笑している。

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曇ってきた

 ボードの軌跡を表す引き波。 ここにも野湯があるというので行ってみたが一つ目は外国人熟年夫婦があられもない姿をして人目を気にせず歌っていたので面食らってすぐに引き返すことになってしまい、二つ目は服も脱いで先にいた方と談笑したが熱すぎて入浴を断念、温泉は楽しめなかった。

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熱すぎて入れない
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通気性があるので湿気はそれほどでもない

 暑すぎる温泉。湖水を引けるようにしていただきたい。

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屈斜路湖の黄昏
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殆ど移動のない日だったけれど初めてゆっくりできた

 空も湖面もセピア色になったところで今日の写真はおしまい。 この後バスに乗って弟子屈町の中心部へ行き、豚問屋で豚と蕎麦を食べた。(豚丼はそれほど美味しくなかったが蕎麦は良かったように思う)摩周温泉に入り一日の汗を流し、宿へ向かう。宿へ向かう道は全くの暗闇の牧野を通り抜けるもので二キロはあったように記憶している。雨も降ってきたため多少は気が紛れたが時折牛の鳴き声を聞くと熊の存在を連想してしまい神経が先細る思いであった。無事に宿へ着いた私は十時前だというのにすぐに就寝してしまったように思う。

投稿者: yonekura53

こんにちは、米倉と申します。海老名鰹だしとも申します。クラシック音楽と旅行好きの大学生です。

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