天売島の旅(天売島一周編)

天売島訪問編の続き。

旅館から眺めた港の様子

 天売島は雨が降っていた。旅館の大一さんに天売の見どころを聞いてみたが、この時期は自分で見つけるしかないと言われてしまった。自転車と傘を借りて探索へと向かう。

天売島を一周する道道548号

 雨上がりのアスファルトは爽やかな潮風に吹かれて緩やかな雨の波を作っていた。島の東側の通りには旅館が立ち並ぶ。

厳島神社
先客がいた
本殿
焼尻よりも荒々しい狛犬
彫刻が施されている

 厳島神社は現状島で唯一の神社であり、社殿の彫刻や手入れの入念さは焼尻島のそれを上回る。

垣根の隙間から焼尻が覗く
番屋
海岸段丘の下に砂利道が続く
轍が薄れていく
行き止まりになった
蔦に覆われているが黄色い旗には平成31年とあった
登り口のところ

 かつては漁村として大いに栄えた天売島であったが現在では300人ほどに人口が減ってしまっている。そのため島内の随所に廃屋が見られ、島の東側にあったこの番屋群も寂れてしまっている。半分ほどは現役であるようだが奥に行くにつれて荒廃の度が増していく。

島のメインストリート
島で唯一の寺院、海龍寺
墓らしきものが並ぶが由緒は不明
長谷川木兵衛の碑、この人物についても特に記載はなかった
本堂

 記念碑や参道に並ぶ墓らしき像について気になったので門を叩いてみたのだが生憎誰も出てこなかった。この島に住職はいないのだろうか。ひょっとすると昨日焼尻島にお坊さんが来ていたように羽幌から呼び寄せているのだろうか。本堂の脇の家屋には人の気配はなかった。

前浜漁港に至る
定期船の発着はないが巨大な漁港だ
鴎がたむろっている
残念なことに漁船はあまり見られなかった

 前浜漁港は静まり返っていて人の姿は全くなかった。ウニの養殖の網や陸揚げされた小型の漁船が哀愁を誘う。鴎は私の姿を認めると陸から離された防波堤の上へ飛び立っていった。

川口商店

 天売島にも焼尻島と同じく個人商店が二つあって奥に見えるのが三浦商店だ。川口商店の品ぞろえは焼尻の両商店より遥かによく、キャンプ場もないのに冷凍のホルモンや焼き肉のたれなどが置いてある。私はここでポカリスエットを購入した。

天売小学校

 小さい島ながら歴史は古く、その前身は明治17年まで遡ることができ、公式の開校年度は明治25年というから驚きだ。例によって小学校と中学校が一緒になっている。

島で唯一の信号機
夏の終わりの入道雲
日差しが強くなってきた

 町を抜けると急に晴れ間が広がり、草いきれが道路上に充満していた。しかし内陸のそれとは異なり、その蒸気は発生したと同時に潮風に流されてしまう。残暑は思いの外強かったが、眼前に広がる涯無き日本海はどこか朝鮮や沿海州の空気を含んでいるようで涼しさを感じさせた。

天売島も焼尻島と同じく島の西部が丘になっている
振り返れば天売島
漂流物が見える
自転車と傘と手ぬぐいは旅館のもの

 これから丘の上へ登ろうというところには駐車場があって雄大な眺望が広がる。傘は既に無用の長物と化していたが水平線近くにはどうやら雨の煙が立っているようだ。

ススキは雨に濡れて穂を萎ませていた
かなりの急勾配である
タチギボウシ

 坂はとてもきつく先ほどまで気配のなかった汗が突如噴き出す。そして海から離れたこともあってか風も弱まってしまった。焼尻で借りた自転車よりも漕ぎ心地はよかったが、焼尻の倍以上ある標高へ挑む坂は伊達ではなかった。仕方なしに細かく九十九折れを作りながら登っていく。

烏がとまっている
目の前にはいつも素晴らしい眺望
トイレ

坂を登りきると赤岩展望台に着く。この先にはもう陸地はないのだ。これまで感じていた陸地への安心感は途切れてしまった。

赤岩崎灯台
ウトウについて
ウトウの巣
ウミガラス(オロロン鳥)もいるらしい
南を臨む
赤岩展望台
日本海には何もない
赤岩
北側
南側

これ程開けているところが嘗てあっただろうか。日本海は陸地側で透き通っているかと思えばすぐにその紺碧を深くして得体の知れない深淵を覗かせている。私は暫く立ち尽くして平衡感覚を失いそうになりながらも必死にその光景を目に焼き付けようとしていた。晩夏の生命の少なさが不気味さを際立てていた。海鳥は全くおらず、蝶や雀が人目を忍んで隠れている。

県道のサミットは実は展望台ではなく少し進んだところにある。そして暫くは登り下りを繰り返しながら高木のない高原のような道を進んでいくのだ。
千鳥ヶ浦園地
海鳥観察舎へ続く道
雲行きが怪しくなってきた
観察舎より東側
観察舎のある尾根はこの先急激に落ち込んでいる。
エゾノコギリソウ
中には望遠鏡があって無料で使える

千鳥ヶ浦園地を過ぎた辺りから雲行きが怪しくなってきた。昨日知り合った大学生によると近くに雨雲が近づいてきているらしい。

遂に降ってきた
観光客が多い

雨がひどく降ってきたがそのお陰でとても涼しくなった。海の方を見てみると晴れているので直ぐに止むだろう。気持ちのよい雨である。

観音崎展望台より天売島灯台
西側

天売島の北側は南側とは打って変わってとても険しく人を寄せ付けない堅牢さがある。100mはあろうかという断崖が襞を作りつつ続いていくのだ。

お腹が空いたので貰ったおにぎりを食べたのだが、ここでは20代後半の商社マンや弁護士と仲良くなった。ビールを飲みながら島内を散策する素敵な方たちである。海外旅行の経験も豊富で、商社マンの方は今度メキシコに移住するらしい。辺鄙な島は似たような性向を持つ人が集まるらしい。

展望台を過ぎると一気に高度を下げる
天売島灯台
近づくと割りと大きい
野鳥が多かった

天売島灯台に着く頃には天気は全く回復していて濡れた葉に照る太陽が美しかった。周りに遮るものがないのでアメリカの大平原を思わせる。

愛鳥の碑展望台より漁港を眺める
海難事故があったらしい
漁船
焼尻島
一気に坂を下る

既に強い日差しが戻っていて先程まで雨が降っていたことを忘れさせてくれる。

海の宇宙館
カフェになっている
鳥が展示されている

私はなにも飲まなかったが離島の割りには小洒落ていて飲み物も美味しそうである。夏季には網焼きの店も出るらしいが今はもうない。隣にはキャンプ場とゲートボール場が併設されている。(キャンプ場は泥濘んでいた)

キャンプ場は花盛り

投稿者: yonekura53

こんにちは、米倉と申します。海老名鰹だしとも申します。クラシック音楽と旅行好きの大学生です。

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